J1川崎2年ぶり3度目のリーグV! 恩師が語る〝黄金ルーキー〟MF三笘のルーツ

2020年11月26日 06時16分

新人離れした輝きを放つ川崎・三笘薫

  J1川崎は25日のG大阪戦(等々力)に5―0で大勝し、2年ぶり3度目のリーグ優勝を決めた。4試合を残してのJ1制覇は2010年に名古屋が記録した3試合を上回る史上最速記録。勝ち点も75まで伸ばし、最多記録を更新した。その最強チームで大卒ルーキーながら特別な輝きを放ったのがMF三笘薫(23)だ。ここまで新人の最多得点記録(13得点)に迫る12点をマーク。母校・筑波大サッカー部の小井土正亮監督(42)が本紙直撃に応じ、大活躍の原点を明かした。


 川崎の下部組織でプレーしていた三笘は高校卒業時にトップチーム昇格を打診されたが、筑波大へ進学。同大サッカー部の小井土監督は「率直にうまいなと。ドリブルのリズムとかは独特の感覚があって、面白い選手だなと思った」と今でも当時の印象を鮮明に覚えている。

 ただ、類いまれな才能を秘めていたものの、ゲーム全体の流れをつかみ切れないなどの課題もあり、試合に出られない時期もあった。それでも大学サッカーで成長する信念は揺るがなかった。

 小井土監督 プロにもなれたけど、大学に来たので。大学で認められなければ、その先がないという覚悟はあった。それに高卒でプロ入りした同級生が何人も活躍していたので、4年後には絶対超えてやるんだっていう気持ちはあったと思う。

 そんな心意気は普段の練習からも伝わってきたという。

 小井土監督 毎日のチーム練習に加えて、同級生のDF山川哲史(23=神戸)と居残りで1対1をほぼ毎日、4年間やっていた。ちょうど切磋琢磨できる仲間が同学年にいたっていうのもあるけど、自分は絶対に負けないとか、武器を伸ばすとか。そういうのは継続してずっとやっていた。

 上級生となり大学サッカー界ナンバーワン選手になっても慢心せずに鍛錬に励んだ結果、自慢のドリブル技術も向上。恩師が舌を巻くほどのレベルにまで成長した。

 小井土監督 緩急で抜いていくようなドリブルが多いし、相手の逆を取るのも本当にうまい。DFからしたらボールを取れると思ったのに逆を取られるし、どっちにも反応できるように正対したらスピードでかわされる。学生たちに聞いたら、どう守ったらいいか分からなかったらしい。

 大学4年間をベースに満を持して加入した川崎では、J1屈指の選手層に埋もれることなく、ルーキー離れの活躍。現時点で新人の1シーズン最多得点記録の13得点まであと1点に迫る12点を挙げている。

 小井土監督 プレーそのものは通用する感じだったのでそんなに驚きはないけど、点を取れていることは驚き。良さが本当に出たら、点を取れるんだなというのが、率直なところ。大学のときはゲームをつくるところから運ぶところまで全部1人でやらないといけない状況だったので、本当の良さは引き出せなかったんだろうなって思う。

 最優秀選手賞(MVP)の期待もかかるが、そこは恩師。さらなるレベルアップを指令した。

 小井土監督 やっぱりスタメンで出て苦しい試合であいつが点を取って勝っているかっていうと、多いとは言えない。もう1ランク上を目指してほしい。本人も今に納得しているってことは全くないと思う。

 さらなる進化は、三笘の目指す欧州挑戦にもつながる。小井土監督は「ぜひ(来夏の)東京五輪のメンバーに入って活躍して、そこでの実績を持って海外のチームに引っ張られるようになるといいなと勝手に思っている(笑い)」。今後のさらなる飛躍を願った。