J1神戸は元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(36)の今季初ゴールなどで23日の4―3と鳥栖に競り勝ち、ホームでは7月18日の清水戦以来、約2か月ぶりとなる勝利を飾った。しかし前日にトルステン・フィンク監督(52)が電撃退任したことでチームに歓喜のムードはなかった。

 監督代行としてチームを指揮したマルコス・ビベスコーチ(45)は「フィンク監督とは長い時間を過ごしたし、私たちにとっては思い出がある。勝ったからと言って喜べる状況ではない」と複雑な表情を浮かべた。

 さらにイレブンからは今季の成績が低迷していたこともあり、責任を痛感する声が上がった。

 DF酒井高徳(29)は「クラブの判断ということで、チームが同じ方向を向かないといけないというのは理解している」と前置きし「パフォーマンスを発揮できなかったから、こうした事態になってしまったと申し訳ない気持ちが強い」と唇をかみしめた。

 試合から一夜明けた24日、神戸は元日本代表でスポーツダイレクターを務める三浦淳寛氏(46)が新監督に就任することを発表。26日の札幌戦から指揮を執ることになった。

 選手として2005年から07年途中まで神戸でプレー。11年の引退後、18年からはスポーツダイレクターとしてチームの強化と育成の総責任者を務めてきた三浦新監督が、指揮官の電撃辞任で揺れたチームをどう立て直すかが注目される。