J1鳥栖がJリーグから一時〝除外〟となりそうだ。鳥栖は新型コロナウイルスに感染した金明輝監督(39)に続き、選手やスタッフ9人(氏名は非公表)の陽性が判明し、感染者は計10人に達した。12日のルヴァンカップ1次リーグ広島戦(Eスタ)は中止となり、鳥栖は佐賀県からクラスター認定を受けた。

 ウェブ上で会見した鳥栖の竹原稔社長(59)は当面のチームの活動休止を発表。「集団練習の予定を立てていない。(選手は)自宅での自粛、不要不急の外出は一切認めない」と話した。休止期間については、保健所から「14日間の自粛のお願いがあった」というが「陰性の者も含めて感染拡大が起こりえないという状況が確認できたら」と、期限を設けずに対策を施していく方針だ。

 その上で同社長は「これだけの(陽性の)人数が出て感染経路も特定できていないし、これからの感染についてのリスクは他のチームと違う。それ(感染者を隔離して試合開催)を強行するというのは私どもも、Jリーグも〝いけない〟として協議していく」。現時点で確定はしていないが、15日のホームG大阪戦をはじめ、しばらくは開催を見送る公算が高い。

 コロナ禍の中でシーズンを突き進むJリーグは鳥栖を外しても前進していくが、鳥栖のクラスターはJリーグ全体にも波紋を広げそうだ。

 西大宮病院院長でJ1鹿島のチームドクターを務める関純氏は「Jリーグの経済活動を考えたら中断は難しい」と前置きしつつ「徳島、琉球、名古屋で感染者が出て、蔓延している。今後よそのチームに飛び火するようだと(リーグ開催継続は)難しい状況。もう1回中断を検討しないといけない時期に来ているのでは」との見解を示した。

〝鳥栖クラスター〟で今季のJリーグは重大な岐路に立たされた。