Jリーグの村井満チェアマン(60)が、1日のFC東京―鳥栖戦(味スタ)の開始前に鳥栖で選手の発熱が発覚しながら試合開催を〝強行〟した件について説明した。

 1日の試合後に長谷川健太監督(54)が「今日の午後になって鳥栖の選手が発熱したという話を聞いた。その選手は結局メンバーに入らなかったが、濃厚接触者がいるのかいないのか分からない状況の中で今日の試合へ(選手を)臨ませなければいけなかった」と試合開始直前のドタバタ劇を説明。クラブ側からJリーグに判断を求めたところ予定通りの開催を指示されたが「やらないべきだと思う」と長谷川監督は選手やスタッフの安全が担保されない状況下での強行開催に疑問を呈した。

 この件に関して村井チェアマンは「大宮―福岡戦と試合の直前ということで類似する部分はある」としながらも「今回の件は37・5度が2回(日)続くということ(がガイドラインがある中で)、1回だけで突発的な発熱を陽性疑いと判断するのはさすがに早すぎる。なので2回を待つと決められていた」と開催中止には至らないと判断。その後に「クラブにエントリー選手は陰性であることを伝えたので試合開始に踏み切った」としたが「本当に直前だったと思う」と現場まで情報が行き渡らなかった可能性もある。

 Jリーグとしては試合開催の判断自体は間違っていなかったが、試合開始に至るまでの情報伝達など経緯には見直す点もありそうで「監督としては、どんなことも全てメンタルを強く左右する不安な状況と理解している。少しでもそういうものを払しょくできるようにしていかないといけない」と村井チェアマンは今後の検討課題とした。