日本特有の〝酷暑〟がJリーガーを悩ませそうだ。新型コロナウイルスの影響で中断していたJリーグは27日にJ2とJ3、7月4日にJ1が再開するが、懸念されているのは近年激しさを増す夏場の暑さだ。

熱中症防止のため、前後半1回ずつの給水タイムが設定。Jリーグの藤村昇司特任担当部長は「日本は暑熱下で再開していくので、給水の在り方が先行して再開した欧州よりも際立って難しい問題」と指摘。高温多湿の日本では給水タイム以外の水分補給が重要なポイントになるわけだ。


 だが「コロナが心配される中、必ず自分のボトルから水を取ることは徹底せざるをえない」とし、今季は飲料ボトルの共有が禁止。試合中の水分補給もままならないとあって、FC東京のDF室屋成が「スタッフと水の置いてほしい位置を話し合っているが試合になると難しい。無意識で流れの中で飲むので、それができないのはストレス」と訴えた。
 藤村部長は「クラブの運営やトレーナーと議論を重ねたが、最後は各クラブの創意工夫にお任せする。飲み切りのペットボトルをたくさん置くクラブ、名前付きのものを分かりやすくする工夫もある」と話すものの、飲水タイムの回数は変更しない方針で不安は拭えないままだ。


 さらに村井満チェアマンは「夏場の日本固有の自然災害と新型コロナウイルスが重なるタイミングが必ず出てくる」と台風や大雨など災害の多い季節での対応の難しさに言及。過酷な〝二重苦〟と戦いながらのシーズンとなりそうだ。