【2020Jリーグ大予想・三浦憲太郎記者】本紙サッカー担当記者が新シーズンの行方を占う「2020年Jリーグ大予想」。群雄割拠のJ1を制するのはどのクラブか。ベテラン記者が絞り出した“答え”とは――。

 優勝候補の筆頭はJ1神戸だ。これまで世界的なスターを補強するも結果に結びつかない中、昨年6月にトルステン・フィンク監督(52)が就任するとチーム力は安定。元日決勝の天皇杯で初優勝し、今季初戦の富士ゼロックススーパーカップ(8日)も制覇して、さらなる飛躍が期待できるからだ。

 今季に向けては元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ(34)と元スペイン代表FWダビド・ビジャ(38)が抜けた穴に、J1で実績のあるFWドウグラス(32)を清水から獲得。ここまで元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(35)とも好連係を見せており、懸念された得点力低下の不安を払拭しつつある。

 もちろん、司令塔のイニエスタは健在だ。ACL(12日)でも圧巻のパフォーマンスを披露したように、ベテランの域に入っても“切れ味”は抜群。敵のマークを引き付けながらのスルーパスや正確なロングフィードなど、世界の技と巧みな駆け引きで攻撃陣をけん引する。さらに、元日本代表MF山口蛍(29)とMFセルジ・サンペール(25)が素早いチェックと的確なポジショニングで司令塔をサポートしており、中盤のシステムは盤石と言えるだろう。

 しかも、今夏にさらなるビッグネームの獲得が確実視されるだけに、優勝争いをリードしていくのは間違いない。課題は守備面で、特にカウンターからの失点が目立つが、そのリスクは覚悟の上。持ち味の攻撃力を前面に押し出し、初のJ1制覇を見据える。神戸に続くのは昨季王者の横浜MやFC東京、G大阪、巻き返しを狙う川崎とみている。