今季初戦に向けて首都クラブが不安いっぱいだ。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)プレーオフ(28日)のセレス・ネグロス(フィリピン)戦に臨むFC東京は得点力アップを目指して4―3―3の新システム導入に着手している。

 7日から2週間行った沖縄キャンプで新戦術の浸透を図っているが、まだ完成度は低い。副将のDF渡辺剛(22)が「守備の仕方は大きく変わった」と話すように、試行錯誤の状態だという。キャンプ中の練習試合では実質5部相当の沖縄SVに2―1と敗れたのをはじめJ2長崎に0―1、J1仙台に1―1のドローと、昨季J1で優勝争いを演じたチームは大苦戦を強いられている。

 こうした状況に長谷川健太監督(54)は「新しいことにチャレンジしている中で選手も意欲的」と話しつつも「キャンプの練習試合の成績はイマイチ」と苦悩の表情を浮かべる。

 また、ケガ人の状況も気がかりだ。日本代表FW永井謙佑(30)は右肩脱臼でJ1開幕も厳しく、FWディエゴオリベイラ(29)も昨年11月に負傷した右ヒザが完治していない。日本代表MF橋本拳人(26)も東アジアE―1選手権(昨年12月、韓国)で負傷離脱した影響で調整遅れ。攻守で大黒柱を欠いた状態で今季初戦を迎えなければならないのだ。

 悲願のJ1制覇へ向けて、新布陣で大事な初戦に敗れるようなことがあれば、シーズンにも影響が及びかねない。果たして新システムは機能するか。