フリーマーケットアプリ大手のメルカリ社が30日、サッカーJ1鹿島の経営権を取得した。

 前身の住友金属時代から親会社としてクラブを支えた日本製鉄が、鹿島の発行済株式72・5%のうち61・6%をメルカリに譲渡する契約を締結。取得額は15億9700万円となった。

 この日、都内のJFAハウスで会見が開かれ、メルカリの小泉文明社長(38)は「鹿島はJリーグの成功の象徴。当社はテクノロジーが一番の強み。テクノロジーと地域が共存する成功モデルを作っていきたい」とあいさつ。経営方針として「1つ目は顧客層の拡大。2つ目はブランドの向上。3つ目はビジネス機会の創出。まだまだ多くのことができる。テクノロジーなど、私たちのノウハウを使ってビジネスを創出していきたい」と意欲的に語った。

 鹿島の庄野洋社長(66)は「アントラーズを取り巻く環境が激変している。さらに発展、ビッグクラブになるべく成長を求めていく。新しい血が入ってくることでさらに成長できる」とメルカリによる経営権譲渡の理由を説明。Jリーグだけでなく、中国や中東などアジアで資金力のあるクラブが台頭する中で、メルカリによる経営でチームの競争力を強化する目的を強調した。

 一方で、小泉社長は大物選手の補強に関しては「アントラーズの哲学、補強だけでなく育成なども大事にしたい。大きな補強などは考えていない」と現時点では否定的な考えを示した。