FC東京のMF久保建英(17)が12日、磐田戦(味スタ)で今季J1初ゴールを決め、チームを1―0の勝利に導いた。

 ついに天才少年に待望の一発が生まれた。0―0の後半39分、左CKから相手がクリアし切れなかったこぼれ球が久保の前に弾んでくると、迷うことなく左足を一閃。抑えの利いた技ありボレーをゴール右隅に突き刺し、好セーブを続けていた磐田GKカミンスキー(28)の牙城を崩した。

 J1では昨季期限付き移籍した横浜Mでゴールを決めているものの、FC東京では初得点。「思ったより遅くなったけど、1点は1点なので素直に喜びたい」と持ち前のポーカーフェースをほんの少し崩した。「コンパクトな振りを意識していた。あまり上がりすぎないように。空気抵抗を受けないように、あまり山なりにならないように意識した」とまさに狙い通りの一撃だ。

 ゴール後には、この日ゲストとして来場したお笑いコンビ「チョコレートプラネット」の持ちネタ「TT兄弟」を意識した“TTポーズ”をゴールパフォーマンスで披露。「いいパフォーマンスができた。試合前に(チームの)広報の方から来ていると聞いていて『決めたらやってね』と言われた。これで広報の方の株が上がったんじゃないか(笑い)」とちゃめっ気たっぷりの一面ものぞかせ、3万人を超す大観衆をピッチ内外で魅了。味の素スタジアムは“久保劇場”と化した。

 これでチームは開幕から11戦無敗で首位をがっちりキープ。「このまま無敗でリーグを終えられるように、一丸となって頑張りましょう」と久保はサポーターへ“無敗V宣言”。今の勢いならば、決して夢物語ではないかもしれない。