J1川崎が23日のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグ、蔚山現代(韓国)戦(等々力)で2―2と引き分けた。

 3試合を終えてH組3位と苦しい状況の川崎は前半8分にFW小林悠(31)のゴールで先制。その後逆転を許すも、後半37分に途中出場のFW知念慶(24)のゴールでドローに持ち込んだ。ホームで勝ち点1は素直に喜べないが、今季はJ1とACLでともに苦しむ川崎にとっては光明が差す一戦となった。

 エースの小林がようやく今季初得点で「取れないときに家族やサポーターが支えてくれた。ホッとしている」と安堵の表情。視察した日本代表の森保一監督(50)も「(ボールを)止めてから振りの速いシュート。点を取れる選手」と高く評価した。MF中村憲剛(38)も「これからどんどん点を取ると思う」と太鼓判を押し、チーム上昇の起爆剤となりそうだ。

 さらに中村は今後の戦いに向けて「あの手この手を使わないと。うまくいかないときもプランB、プランCでいく。そういう意味でも底力がついてきている」。J1とACLを並行して戦う過密日程の中でJ12連覇中の王者として相手から厳しくマークされるが、この日も途中出場の選手が活躍するなど確実に地力がアップしている。試行錯誤のチーム状態はかみ合いつつあり、いよいよ王者の反攻態勢が整ってきたと言えそうだ。