J1神戸の親会社でインターネット通販大手「楽天」は18日、サッカーの親善大会「楽天カップ」の開催を発表した。スポンサー契約を結んでいるバルセロナ(スペイン)が来日し、7月23日に埼玉スタジアムでチェルシー(イングランド)、同27日にノエビアスタジアム神戸でJ1神戸と対戦する。世界屈指のビッグクラブの日本参戦は、楽天の本業や神戸のチーム強化に大きな恩恵をもたらしそうだ。

 会見した楽天の会長兼社長である三木谷浩史氏(54)は「世界のナンバーワンクラブと言っていいバルセロナを日本に迎え入れて神戸と世界的強豪のチェルシーと対戦する運びとなった」と胸を張って発表した。

 楽天が2017年から4シーズン総額2億2000万ユーロ(約275億円)でゼッケンスポンサーを務めるバルセロナとパートナーシップを築いたことで実現。元スペイン代表FWダビド・ビジャ(37)、同MFアンドレス・イニエスタ(34)らが加入し、世界から注目される神戸とアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(31)擁する世界最強クラブの対戦はまさに「楽天決戦」。世界戦略を進めてきた楽天にとっては、これまでの投資に見合う大きなPR効果が期待できるわけだ。

 また、J1でなかなか浮上できない神戸にとっては飛躍のヒントをつかめる貴重な機会となるだろう。15年7月にドルトムント(ドイツ)と対戦したJ1川崎の元日本代表MF中村憲剛(38)は0―6の大敗に「悔しいし、まだまだだな、と久々に体感したけど、得たものは多い」と話し、さらなる鍛錬を経て2年後のJ1制覇につなげた。

 神戸イレブンにも大きな刺激になるのは間違いないが、日本人だけとは限らない。神戸にはビジャやイニエスタ、MFセルジ・サンペール(24)の元バルセロナ組をはじめ、元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ(33)らが所属。すでに世界レベルのプレーを披露しているが、欧州トップレベルの強度から遠ざかっているのは確か。ビジャが「チームにとって最高の学びの場となる」とビデオメッセージで話したように、かつてのキレを取り戻すきっかけにもなるのだ。

 約3か月後にビッグマッチを控えたチームは17日にフアンマヌエル・リージョ監督(53)が退任し、再スタートしたばかり。目標とする来季アジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場権の獲得に向けて、夏以降の追い上げを実現させるためにもまたとない好機となるはずだ。