【前園真聖氏のロシアW杯1次リーグ徹底分析「ZONO’s EYE」】2010年南アフリカW杯を制し“無敵艦隊”と呼ばれるスペインは1次リーグB組の大本命と言えるでしょう。ロシアW杯欧州予選10試合で9勝1分けの無敗。しかも失点はわずかに「3」と安定した戦いを見せていました。

 司令塔MFアンドレス・イニエスタ(33=バルセロナ)をはじめ、主力選手の多くが“オーバー30”とあって高齢化を懸念する声も出ています。しかしFWアルバロ・モラタ(25=チェルシー)やMFティアゴ(27=バイエルン・ミュンヘン)ら20代の中堅選手に加え、世界屈指の実力を誇るスペインリーグを主戦場とする若手選手も力を伸ばしているので不安はありません。決勝トーナメント進出はもちろんなのですが、W杯優勝候補と考えています。

 そのスペインに肉薄するのは、16年欧州選手権で開催国フランスに競り勝って見事に優勝したポルトガルでしょう。絶対エースFWクリスチアーノ・ロナウド(32=レアル・マドリード)ばかり注目されていますが、決して彼だけのワンマンチームではありません。他にも豊富なタレントもいますし、組織的な守備力の高さはチームの大きな武器と言えます。

 スペインと1、2位を争うのは間違いないと思いますが、その順位がA組1、2位と対戦する決勝トーナメント1回戦の組み合わせにも直結します。W杯優勝を狙うのであれば、次のステージにも気を配らなければならないところですし、この2チームの直接対決となる初戦の結果が大きく影響するのは間違いありません。

 アフリカ勢のモロッコと国際サッカー連盟(FIFA)ランキング33位でアジア最上位のイランは戦力的にも大きな差があり、勝ち上がる可能性はほぼないでしょう。(次回はC組を分析)