【イタリア・ローマ発】サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝第2戦2試合が10日(日本時間11日)に行われ、第1戦を1―4で落としたローマ(イタリア)がホームでバルセロナ(スペイン)に3―0と快勝。2試合合計で4―4とし、アウェーゴール数の差で準決勝進出を決めた。

 肩を落とすバルサの選手たちとは対照的に、ローマイレブンはオリンピコの熱狂的サポーターとともに歓喜に沸いた。CLで3点差を第2戦でひっくり返したのはクラブ史上初。4強に駒を進めたのも、前身の欧州チャンピオンズカップ時代の1983―84シーズンに決勝進出を果たして以来で、現行のCLとなってからは初。それがバルサ相手だけに、選手たちの喜びもひとしおだった。

 逆転に向けてディフランチェスコ監督は奇策を打った。過去に一度も試したことがない3バックを採用し、前線を厚くして攻撃的に仕掛けた。それが功を奏し、前半6分にイタリア代表MFダニエレ・デロッシ(34)の浮き球のパスをボスニア・ヘルツェゴビナ代表FWエディン・ジェコ(32)が決めて先制。後半13分もジェコが倒されて得たPKをデロッシが決めた。そして同37分、右CKをニアに飛び込んだギリシャ代表DFコンスタンティノス・マノラス(26)が頭で決めて形勢を逆転した。イタリア代表は60年ぶりにW杯出場を逃し、この日ゴールを決めた3人はいずれも6月のロシアW杯のピッチに立つことができない。悔しさと意地、そしてサッカー人としての誇りがローマに奇跡を呼んだ。