【イタリア・トリノ発】サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝第1戦の2試合が3日(日本時間4日)に行われ、レアル・マドリード(スペイン)がユベントス(イタリア)に3―0で先勝した。エースFWクリスチアーノ・ロナウド(33)が歴史に残るオーバーヘッド弾を含む2得点の大活躍で、3連覇に向けて大きく前進した。第2戦は11日(同12日)に行われる。

 冷たい雨が降りしきる中、背番号7がイタリアのティフォージ(熱狂的ファン)たちを一瞬で黙らせた。キックオフの笛が鳴ってからわずか3分、左サイドを抜け出したMFイスコの折り返しに反応。DF2人を引きつけたFWベンゼマの背後をうまく回ると、右足アウトサイドのワンタッチシュートをゴール右に突き刺した。先月の国際親善試合でイタリア代表に復帰したGKジャンルイジ・ブフォン(40)の壁を打ち破り、試合の流れを引き寄せた。

 圧巻は後半19分だった。相手守備陣の連係ミスからペナルティーエリア内でボールを奪ったC・ロナウドは中央に戻してポジションを取り直すと、右クロスを中央で鮮やかなオーバーヘッド弾。華麗に宙に舞い、右足から放たれたシュートはブフォンの反応すら許さなかった。

 連覇が懸かった昨季決勝でも2得点し、ビッグイヤー(CL優勝カップ)を掲げた。レアルの一員として臨んだユベントス戦では過去5試合すべてでゴールネットを揺らしており、この日の2発で6試合連続の8点目。“ユーベ・キラー”として記録にも記憶にも残るゴールを決めた。

 今季CLは9試合すべてで得点し、この日の2発で14点目。2位とは6点差で得点ランク首位を独走している。C・ロナウドの2点目が決まった直後、ユベントスはFWディバラが一発退場。数的有利になったレアルはC・ロナウドがワンツーからDFマルセロのゴールをお膳立てし、3つのアウェーゴールという最高の結果を残した。

 昨季決勝から10試合連続得点の欧州CL新記録を樹立したエースについてジネディーヌ・ジダン監督(45)は「ロナウドはこういったことをするからこそ、他の選手とは異なっているんだ。私たちが彼を手にしていることをうれしく思うよ」と手放しの喜びようだった。