ハリルジャパンに未来はあるのか。欧州遠征でマリ(23日)、ウクライナ(27日)と対戦し1分け1敗の日本代表はふがいない戦いを見せ、6月のロシアW杯に向け窮地に立たされた。空中分解寸前のチームに不満の声が噴出する中、元日本代表MF前園真聖氏(44=本紙評論家)がハリルジャパンの現状について徹底分析した。

【前園真聖ゾノの焦点!】2試合とも低調な内容でした。チームの戦い方を試す貴重な舞台で攻守両面のミスがとても多かったです。2、3人でプレスをかけてもかわされてボールが奪えないし、選手間の意思疎通は感じられませんでした。ここから何か積み上げるのは難しいですし、まずは選手全員が同じイメージを共有できるかでしょう。

 このままではロシアW杯で厳しい戦いになるのは明らかです。特に27日のウクライナ戦でも1トップがボールキープできず、起点になれなかったように、攻撃面は再構築が必要な状況。そこで好転のキッカケになりそうなのが今季イングランド・プレミアリーグで好調のFW岡崎慎司(31=レスター)です。

 しばらく代表から遠のいていますが、実力に疑いはありません。前線からの積極的な守備に加えて相手が嫌がるようなポジショニングで相手DF陣を翻弄。ゴール前でうまくスペースをつくり出すことができます。そこで自らがボールを受けたり、2列目の選手が飛び込んでいけば、ビッグチャンスが生まれるでしょう。

 相手を背負ってボールキープするタイプではありませんが、決定力もある選手ですし、試合途中から投入されてもいろいろな役割をしっかりとこなせるのは長所ではないでしょうか。ハリルホジッチ監督にはぜひ再考してほしいと思っています。