柱谷哲二の闘将論】ハリルジャパンはどこへ向かうのか。欧州遠征(23日=マリ戦、27日=ウクライナ戦、ともにベルギー・リエージュ)に臨む日本代表は元エースFW本田圭佑(31=パチューカ)が復帰し、期待のFW中島翔哉(23=ポルティモネンセ)が初招集された。本紙評論家の元日本代表DF柱谷哲二氏(53)が、6月のロシアW杯へ向けて今回のメンバー選出の意味を探った。

 欧州遠征のメンバーが発表されて本番に向けムードが高まってきたね。

 マリは日本と同じ1次リーグH組のセネガル、ウクライナは同じくポーランドを想定した相手。本番を見据えると、たとえ内容が悪くても勝利が大事。それがW杯で決勝トーナメントに行く自信にもつながる。それこそ、うまくいかなかったら大幅な戦術変更も必要になる。2010年南アフリカW杯直前に結果が出なかった日本代表監督の岡田(武史)さんは、極端な守備的システムに変えたけど、バヒド・ハリルホジッチ監督も同じように作戦変更を考えるんじゃないかな。

 今回のメンバーを見渡すと、クラブで結果を出しているFW本田が期待通り戻ってきた。力がある選手だし、経験値もある。ハリルさんには得点だったり、ラストパスを出したり、FKも含めてゴールに絡むところを求められているのだから、できることを証明してほしい。今の状況を考えると監督は最後のチャレンジをさせているにすぎない。ロシアW杯行き確定メンバーには入れていないだろうから。ただ僕は、今の状態ならW杯で十分やれると思っている。実力的に十分なのはもちろん、やっぱり知られている名前だから相手国を警戒させ、プレッシャーを与えられるはず。いい意味で監督の期待を裏切ってほしいと思う。それに初招集のFW中島らチャンスを得た選手がどこまでやれるか。楽しみの多い試合になりそうだね。