ハリルホジッチ不本意だった?本田の欧州遠征メンバー招集

2018年03月16日 16時30分

昨年8月のオーストラリア戦後に本田(左)と話し込んだハリルホジッチ監督

 日本サッカー協会は15日、国際親善試合マリ戦(23日)とキリンチャレンジカップのウクライナ戦(27日、ともにベルギー・リエージュ)に臨む日本代表メンバー26人を発表した。ロシアW杯に向けて注目のFW本田圭佑(31=パチューカ)が昨年9月以来の復帰を果たしたが、バヒド・ハリルホジッチ監督(65)は元エースに話題が及ぶと、なぜか歯切れが悪かった。本田選出の裏にある事情とは――。

 約半年ぶりに招集した本田に対し、ハリルホジッチ監督の口からは最後まで評価の高さをうかがわせる言葉は出なかった。指揮官は「このチャンスをつかんでほしい」と現状が厳しい立場にあることをにおわせると「本田、(初招集のFW)中島に要求したい」と、こう続けた。

「単純に良いプレーをしてほしい。FWだけど守備の役割も大事だ。まずは点を取る、取らせる。いつも(中盤まで)下りてきて足元でボールをもらってしまうのはダメだ。やはり(DFラインの)背後にも抜けるようにしてほしい」とまるでダメ出しだ。さらに起用法に話が及ぶと、表情はさらに険しさを増し「彼のベストポジションはどこ? トップ下?(2014年ブラジルW杯の)コロンビア戦がそうだった。その時は4失点でしたね」と吐き捨てるように言ったのだ。

 自らが日本代表に復帰させておきながら、なぜここまで厳しい姿勢をあらわにするのか。それは本田を高く評価していないからだ。特にハリルホジッチ監督の戦術に適応できないことが要因。堅守速攻で、縦に速くボールを運ぶ戦い方に不可欠なスピードと、ハードワークに必要な運動量が足りていないという。

 代表チームの内情に詳しいJクラブの強化担当者は「例えば本田と同じように代表から外れている香川(真司=28、ドルトムント)の評価は高い。ハイレベルな環境でプレーし運動量もあっていろいろなポジションができる。だが現状の本田はその点でも難しいようだ。同じベテランなら香川の方がいいとの判断じゃないか」と指摘した。

 ポジションが異なる2人を直接比較しているわけではないものの、ハリルホジッチ監督の中では本田と香川の評価に大きな差があるわけだ。それでも選出したのは、指揮官が「みなさん(報道陣)やスタッフと、私の意見は違う」と話していたように、チーム内で本田を推す意見を取り入れたにすぎないようだ。

 実際に、本田がポジションを争う右サイドは、FW浅野拓磨(23=シュツットガルト)がクラブで出場機会を失って落選したが、指揮官が会見で何度も名前を連呼したように“スピードスター”への期待は大きい。また1トップで選出されたFW小林悠(30=川崎)は、これまで右サイドの枠で高評価されていた。

 いずれにしても元エースにとっては“ラストチャンス”となるが、好パフォーマンスでアピールに成功すれば指揮官の評価を覆せる可能性も十分にある。10年南アフリカW杯以降、日本のエースとして君臨してきた本田。3度目のW杯出場に向けて今遠征で“最後の審判”が下りそうだ。