東京五輪サッカー監督・森保一氏に聞く 天才・久保の評価とOA枠

2018年03月10日 11時01分

森保監督(右)が武田氏とのスペシャル対談で五輪ビジョンを語った

【武田修宏氏&森保一東京五輪サッカー監督スペシャル対談:前編】2020年東京五輪に臨むサッカー男子代表を率いる森保一監督(49)が“メダル構想”を明かした。元日本代表FW武田修宏氏(50=本紙評論家)とスペシャル対談が実現。前編では原則23歳以下の選手で編成されるチームづくりの構想から、“天才少年”ことFW久保建英(16=FC東京)の評価、さらには大会前に必ず紛糾するオーバーエージ(OA)枠についても言及した。1968年メキシコ五輪以来、52年ぶりのメダル獲得に向けてポイントとなるものとは――。

 武田氏:連絡は取り合っていたけど、直接会うのは久しぶりだね。早速なんだけど、五輪代表監督になって約4か月。日の丸を背負う分、これまで以上にプレッシャーを感じているんじゃない?

 森保監督:代表でもクラブでもプレッシャーは当たり前なので、そう深くは考えていませんね。今は2020年に向けて仕事ができる幸せを感じていますよ。

 武田氏:最初に五輪監督の話が来たときはどう思ったの? 東スポのコラムで「東京五輪の指揮官は森保が一番ふさわしい」と言い続けていたからさ。当時G大阪の監督をしていた先輩の(長谷川)健太さん(52=現FC東京監督)に連絡したときに「お前は森保推しか」って言われたこともあったよ。

 森保監督:好意的に評価していただき、ありがとうございます。広島の監督を退任したあと、Jリーグで興味を示してくださったクラブもありました。でも東京五輪の話があれば…そのときは噂でしかなかったんですけど、優先的に考えてみたいとは思っていました。

 武田氏:ところで五輪は基本的に23歳以下の選手がベースになるでしょ。クラブから代表監督になって、プロ選手だけどまだ大人になりきれていない若手を指導するって大変じゃない?

 森保監督:おっしゃる通り。思っていたよりもギャップはありました。広島にも経験が浅い若手もいましたけど、全体的にプロの雰囲気が染みついていたので、そのイメージで活動を始めると「アレッ?」って…。プロの持つ雰囲気と、これから伸びていく若い選手の違いは感じましたね。

 武田氏:それと五輪代表はA代表と違って選手招集の拘束力がない。過去のチームもそうだけど、公式大会でもフルメンバーを集められない大変さもあるよね。どう考えているかなって。

 森保監督:歴代の五輪監督に話を聞きますと「招集は難しくてチームづくりのポイント」と言ってました。そこは自分だけでどうこうできないので(日本サッカー協会に)お任せし、与えられた環境でやっていくしかないですね。その中でベストを尽くすことに集中します。

 武田氏:まだ森保ジャパンには招集していないけど、スペイン1部バルセロナの下部組織出身で注目のFW久保についてはどう考えてる? サッカー界でも話題になっているよね。

 森保監督:先に武田さんの見解を聞きたいですね(笑い)。

 武田氏:パスのセンスだったり、ボールを持ったときに空間を察知する力とか、状況を把握する能力はすごくある。その才能を高いレベルで伸ばしてほしい。メディアにはあまり特別扱いしてほしくないね。これからがすごく大事かな。

 森保監督:もちろん、この年代の(代表メンバーとして)選択肢には入っているし、実力はいいものを持ってますね。いい選手と思いますが、選手選考していく上で他の選手と一緒に見ていきたいと思っています。

 武田氏:現段階でOA枠はどうするつもりなの? まだ、そこまでは考えていないかもしれないけど。俺は、そのときの一番旬でバリバリ試合に出ている実力派の選手をOAとして使うべきだと思うんだよね。とにかく結果が全てだから。

 森保監督:OAについては、選択肢の一つとしてしっかり考えてますよ。すでに選手には「OAを含めて競争だ」と伝えています。

 武田氏:そのOA選手はどんな基準で考えているの? 戦力的に少し手薄なポジションに入れるとか、チームの核になる位置で起用するのか。そういうところまで、すでに頭の中にあるの?

 森保監督:そこはまだ考えてませんけど、ルール上、OA枠は許されていることなので、そこは考えてチームづくりをしていきます。結果を出せるように、より強いチームをつくり上げるために必要だと思っています。

☆もりやす・はじめ=1968年8月23日生まれ。長崎県出身。87年に長崎日大高からマツダ(現J1広島)に入団し、主に守備的MFとして活躍した。日本代表は92年に初選出。“ドーハの悲劇”と呼ばれた93年の米国W杯アジア最終予選を戦った。2004年に引退し、指導者に転身。12年に広島監督に就任すると、17年までに3度のリーグ制覇を果たした。昨年10月に東京五輪に臨むサッカー男子代表監督に就任。174センチ、68キロ。