J1川崎の“無名FW”が、昨季の得点王FW小林悠(30)や3年連続得点王のFW大久保嘉人(35)ら分厚い攻撃陣の中で存在感を発揮し始めている。

 その男の名は知念慶(22)。愛知学院大から川崎入りして2年目で、学生時代から全国的な知名度は皆無に等しい。ルーキーだった昨季はリーグ戦4試合1得点。そこから急成長を遂げ、今季はリーグ戦開幕から大久保をベンチに追いやって2戦連続で1トップの先発を勝ち取っている。2月20日のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の蔚山(韓国)戦ではゴールも奪った。

 本人は「まだどう合わせていいか分からないところもある」と謙遜するが、大黒柱の中村は「みんなそうやって主力になっていくもの。彼にしかできないプレーもある。自分のやりたいように、やっていい」とバックアップ態勢を整えている。チーム内では天然な性格で親しまれるFWが、チームの得点源になれるか。中村の代表復帰も、案外こんな選手がカギを握っていそうだ。