シュツットガルトで“飼い殺し”の浅野 W杯ピンチ

2018年02月08日 16時30分

浅野拓磨

 ハリルジャパンの申し子に異変あり――。日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(65)の寵愛を受けるドイツ1部シュツットガルトのFW浅野拓磨(23)は、2018年に入り、ベンチメンバーにも入れない日々が続いている。プレー機会を求めて、冬の移籍市場では新天地となるクラブを模索したが、かなわなかった。ロシアW杯代表入りがピンチとなる中、右サイドのポジション争いがヒートアップしそうだ。

 今シーズン序盤はコンスタントにプレーを続けていた浅野も昨年末にかけて徐々に出場機会が減少していった。そして年が明けると、冬季中断期間の合宿で股関節痛を発症。リーグ再開に出遅れてハネス・ウォルフ前監督(36)の信頼を失って出番がなくなった。

 そのため浅野サイドは今冬の市場で移籍を模索したという。欧州事情に詳しいJクラブ関係者は「現状に危機感を抱いている浅野は、焦りもあってかなり(真剣に移籍先を)探したようだ」。出場機会を得ようと積極的に新クラブを求めたが、結局はドイツに残留することになった。

 それでも1月29日に指揮官が交代し、タイフン・コルクト監督(43)が就任。ハノーバーの指揮官時代にはMF清武弘嗣(28=C大阪)やDF酒井宏樹(27=マルセイユ)ら日本人を指導した経験から、浅野にとって“追い風”になるはずだった。しかしポジションを争うライバルたちも好調でチーム内の勢力図は変わらなかった。

 新指揮官の初陣となった3日のボルフスブルク戦でもベンチ外。浅野はリーグ戦4試合連続の欠場で、今年に入って実戦でプレーしていないという状況に陥っている。このまま“飼い殺し”状態が続けば、ゲーム勘の欠如やコンディションの低下は避けられない。

 かねてハリルホジッチ監督は大舞台に向け「W杯では何が必要か。メンタルと同時に101%のフィジカルコンディションが必要だ」と強調していたように、6月のロシアW杯メンバー入りに向け、所属クラブでの出場は絶対条件。それだけに浅野は崖っ縁に追い込まれたと言えそうだ。

 となれば、ハリルジャパンの右サイド2枠を巡る争いも加熱する。すでにFW久保裕也(24=ヘント)の選出が確実視される中、昨年12月の東アジアE―1選手権で高く評価されたFW伊東純也(24=柏)が急浮上。浅野と同様にスピードが武器で、カウンターを主戦術とするチームにもマッチするはずだ。

 さらに昨季J1MVPのFW小林悠(30=川崎)や絶好調の元代表エース、FW本田圭佑(31=パチューカ)なども加わり激戦必至。もちろん浅野の奮起を含めて右サイド戦線が注目される。

 

ポルトガル移籍報道もあったが…

 浅野を巡っては、冬の移籍市場でポルトガル紙「アボラ」が同国1部ポルティモネンセ入りする可能性を報道した。同クラブに所属するMF中島翔哉(23)が移籍した場合の代役としてリストアップしていたとされる。今回の移籍期間では、ロシアW杯出場を狙うハリルジャパンの主力が出場機会を求めて電撃移籍。FW原口元気(26)がドイツ1部ヘルタから同2部デュッセルドルフ、DF長友佑都(31)がイタリア1部インテルからトルコ1部ガラタサライへいずれも期限付き移籍をした。残留した浅野に逆襲の目はあるか。