今季からFC東京の指揮を執る長谷川健太監督(52)が、万年中位のチームに常勝の帝王学を注入している。

 沖縄・国頭での1次キャンプとインドネシア遠征を終えたチームは29日、東京・小平グラウンドで練習を再開。始まったばかりの新天地での指導について「1次キャンプは順調に終わり、非常に良い成果があった」と大きな手応えをつかんだ。「もっと点を取れるチームにしていかないといけない」と自らの代名詞である攻撃的サッカーをチームに植え付けていくつもりだ。

 チーム改革はプレー面にとどまらない。FC東京では、日本代表で主力を担ってきた実力に加え選手からの人望も厚いDF森重真人(30)が主将を務めてきたが、今季は白紙。指揮官は「当分の間は試合ごとにいろんな選手にキャプテンをやらせていく。それを見ながらこれから(主将を)決めていきたい」という。

 主将の座を巡る競争をあおるのは“常勝軍団”になるための第一歩だ。G大阪ではJ2に降格した2013年に監督に就任すると、選手一人ひとりに“自立”を促して精神面を強化。翌年の国内3冠につなげ、名門を見事に復活させた。

 FC東京は実力ある選手が揃っていながら昨季は13位と低迷した。「あとは“欲”をどう出していくか」と長谷川監督は勝利に対する貪欲さを選手に要求していく考え。健太流改革で眠れるタレント軍団が今季こそ覚醒するか。