日本代表の元エースが“復権”への準備を着々と進めている。ハリルジャパンで昨年10月から落選が続き、ロシアW杯メンバー入りに暗雲が漂うFW本田圭佑(31)だが、所属するメキシコ1部のパチューカでは好調をキープ。自身の代表復帰を後押しする好材料も増えており、今後予定される代表スタッフとの面談では、データを駆使して猛アピールする構えだ。

 本田は後期開幕戦となった6日のUNAM戦で、2018年初ゴールを奪取。年明け早々から好調をアピールしている。昨夏のパチューカ移籍直後こそ右ふくらはぎ痛などでコンディションが上がらずに出遅れたが、すぐにレギュラーの座を不動のものにすると安定したプレーで活躍を続ける。

 その好調ぶりに本人も自信を深めており、10日には自身の公式ツイッターを更新し「今シーズンの目標まで残り8点。実はこれまで達成したことがない。残念ながら。いつか言ったことを100%達成したいなと思ってる」とつぶやいた。

 今季の本田はカップ戦も含めた公式戦で7ゴールを記録している。これはFW岡崎慎司(31=レスター)、MF森岡亮太(26=ワースランドベヘレン)、MF中島翔哉(23=ポルティモネンセ)と同じ得点数。欧州で好調な選手に匹敵する結果を残し、目標の15ゴール到達に向け、順調に進んでいることをアピールしているのだ。

 他にも材料はある。本田と親しい関係者は「心肺機能の数値が上がってきていて、移籍前と比べて“走れる体”になっていることに本人も自信を深めている」と語る。

 昨季の本田はイタリア1部のACミランで出場機会を失ったことや、30歳を過ぎた年齢的な衰えもあり体力面には不安を抱えていた。しかし標高2400メートルの高地で日々の練習や実戦を重ねることにより心肺機能が強化された。それがクラブで計測するデータにも表れるようになったのだ。

 年末には、W杯が開催されるロシアの1部CSKAモスクワで過去に4年間プレーした点を「必ずアドバンテージになる」と強調したが、各種データと合わせ、今後予定される代表スタッフとの直接面談で、自身がいかに代表に必要な存在なのかを“プレゼン”することになりそうだ。

 ビジネスマンの一面も併せ持つ本田らしい方法で、バヒド・ハリルホジッチ監督(65)に向けた最後のアピールは成功するか。