第96回全国高校サッカー選手権の準決勝が6日、埼玉スタジアムで行われ、優勝候補の流通経大柏(千葉)が矢板中央(栃木)に1―0で辛勝し、10年ぶりの全国制覇まであと1勝に迫った。本田裕一郎監督(70)は「あまりいい試合じゃなかった。練習試合の後だったら(ミーティングで)怒ることからスタートする」と渋い表情を見せた。

 ただ4試合連続無失点となる鉄壁の守備に関しては「失点ゼロはよかった。そこはしつこく言ってきたから」と合格点を与えた。

 自分たちのサッカーができなくても負けないのは、守り抜く力が備わっているから。昨夏の高校総体優勝でも証明済みだ。2年生ながら、その中心を担うDF関川郁万は「難しい試合でもゼロで抑えて1点差の試合をモノにできる。今年はそういうチーム。一人ひとりが自覚を持って自分たちの役割を果たしている」と胸を張った。

 狙うのはもちろん、夏冬2冠。大量得点で勢いに乗る前橋育英相手に堅守で立ち向かう。関川は「目の前のチャンスをものにして監督を(高校総体に続いて)もう1回胴上げしたい」と歓喜の瞬間をイメージした。