小嶺語録が飛び出した。日本高校サッカー選手権大会は3日、フクダ電子アリーナで3回戦が行われ、第2試合で長崎総科大附(長崎)が前回覇者の青森山田(青森)を1—0で破った。

 FW安藤瑞季(3年)にボールを集める長崎総科大附に対して、青森山田はMF郷家友太(3年)とFW中村駿太(3年)を中心に攻撃を組み立てる。青森山田はシュート数15本と長崎総科大附の6本を圧倒した。

 しかし、先制したのは長崎総科大附。前半25分に後方からのパスを受けた安藤が振り向きざまにDF2人をかわし、ボールをコントロール。右足でゴール右隅に転がして1点をもぎ取った。その後の青森山田の猛攻をチーム全体でしのぎ、歓喜のホイッスルとなった。

 小嶺忠敏監督(72)は開口一番、「勝負の世界は強いチームが勝つとは限らん。可能性を信じていれば、こんなマグレもある」と語った。得点した安藤について、「よう点取った。入学当時からフィジカルが強かった。今の若者にあんなのが欲しい。持って生まれたものを消したらいかんと思っていた」と絶賛した。

 次戦は本田裕一郎監督(70)率いる流経大柏(千葉)戦。「向こうがすべて上。チャレンジです。失うものはない。本田監督とは年寄り同士で頑張りたい。老人会です」と試合が楽しみな様子。

 とはいえ、プレッシャーも感じている。頼みの安藤が累積警告で出られない。「5点以内に抑えてくれれば田舎に帰れる。それ以上取られたら、首つらないと。田舎には帰れん」と独特の表現で気合を入れる。

 前回覇者打倒の勢いで、インターハイ王者をのみ込む。