東アジアE―1選手権が8日、千葉・フクダ電子アリーナで開幕し、女子のなでしこジャパンは韓国との初戦に3―2で競り勝った。もう1試合は北朝鮮が中国に2―0で勝利した。

 白星をもたらしたのはFW岩渕真奈(24=INAC神戸)だった。2―2の後半38分、シュートのこぼれ球に反応して冷静にゴールへ流し込んだ。「やけに落ち着いていた。いい時間に3点目を取れた」と胸を張った。2得点を挙げた先月のヨルダン戦に続く代表戦2試合連続ゴールでスーパーサブからエースへと変貌しつつある。

 続く中国戦(11日)、北朝鮮戦(15日)でも「自分がゴールを積み重ねてチームとしては優勝したい」と力強く言い切ったが、単に勝ちたいのではない。自身もメンバーだった昨年3月のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選ではホームの大声援が重圧となり、敗退の一因となった。それだけに、金メダルを期待される2020年東京五輪に向けてホームの“トラウマ”を払拭しておきたいからだ。

 岩渕は「20年に向けて日本でやれる大会は限られてくる。そういう中でこの大会は、ただの大会ではない」と力を込めた。計り知れない東京五輪のプレッシャーに打ち勝つには、ホームで戦える今大会で結果を残すことが重要というわけだ。

 そのためにピッチ外も含めて「今までは先輩に引っ張ってもらっていたけど、少しずつ引っ張っていける選手なりたい」と“脱妹キャラ”でチームをけん引する。