【ロシアW杯】ハリル「死の組」回避も心晴れぬワケ

2017年12月04日 16時30分

日本に到着したハリルホジッチ監督はサポーターにサイン

 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)が3日、ロシアW杯抽選会を終えてモスクワから再来日した。コロンビア、セネガル、ポーランドと同じ1次リーグH組に入ったハリルジャパン。懸念された“死の組”は回避し、優勝経験国も不在の比較的恵まれた組み合わせとの見方が広まっているが、指揮官の表情は晴れない。いったいなぜなのか――。

 日本が入ったH組に大国の名前はなく、ドイツと同じF組に入った韓国や、スペインとポルトガルのいるB組のイランなど他のアジア勢と比べると組み合わせに恵まれた感はある。

 しかし、成田空港に到着したハリルホジッチ監督は厳しい表情を浮かべた。抽選結果について「3チームとも特徴の違ったサッカーをプレーするチーム。我々より格上だ」と楽観ムードを一蹴して警戒感をあらわに。「しっかり結果を残すための準備をしないといけない」と語気を強めた。

 指揮官のピリピリモードには理由がある。ライバル国の面々は実は苦手なタイプだからだ。「今のハリル戦術は、個人技にたけたタレント集団のような強豪チームを想定して組み立てている。しかし今回決まった相手は、いずれもハードワークと組織力を重視している。日本と方向性が同じぶん、ハリルにとってはかえってやりづらいのでは」と在京Jクラブ関係者は指摘する。

 コロンビアは智将ホセ・ペケルマン監督(68)の下、南米では珍しく規律を前面に打ち出し組織立ったプレーが持ち味だ。セネガルもアフリカ勢特有の高い身体能力に加えて、豊富な運動量でハイプレスを仕掛ける。ポーランドもFWロベルト・レバンドフスキ(29=バイエルン・ミュンヘン)の得点力を頼りにした全員守備がベースだ。

 前出3か国に比べると格下のハリルジャパンは、W杯本番に向け組織力とハードワークを前面に押し出すことで勝機を見いだす考えだった。しかしライバル国はいずれも日本と同じような特徴を持つ上、現状では技術力やフィジカル力、球際の強さでも上回る。非常に組みにくい相手のため、頭を痛めているのだ。

 さらに指揮官はこんな不安も口にする。「海外で出続けている選手が少ないから、フィジカルコンディションが心配」とFW原口元気(26=ヘルタ)ら主力の現状を不安視。国内組についても「ケガが多い。チームが弱体化する」と嘆き節で「相手のことを考えないといけないが、その前に自分たちのことを考えないと。日本代表自体に不確定な要素がたくさんある」と顔を曇らせた。

 苦手なタイプのライバル国と、低迷する日本代表イレブン。4日からは東アジアE―1選手権に向け、日本代表合宿が始まるが、ハリルホジッチ監督は懸念を払拭できるのか。