長友インテル移籍を“アシスト”したレオナルド氏

2013年01月31日 11時00分

世界サッカー、この人に、この恩師あり(3)

 世界と日本サッカー界の“意外な関係”に迫る「世界サッカー、この人に、この恩師あり」の第3回は、名門インテル(イタリア)で監督を務めた元ブラジル代表MFレオナルド氏(43=現パリ・サンジェルマンSD)。日本代表DF長友佑都(26=インテル)の間には“師弟関係”を強固にする意外なドラマがあった。

 

 2010年南アフリカW杯後、FC東京からチェゼーナ(イタリア)に移籍した長友は、すぐに大活躍。わずか4か月後の11年1月には名門インテルが獲得にむけ、正式オファーを出した。冬の移籍市場の期限となる同31日、長友はインテルの事務所で最終的な契約交渉に臨むことになったが、そこには通訳が不在だった。

 

 まだイタリアへ渡ったばかりで、言葉も堪能ではなかった長友は担当者の説明も理解ができない様子。そこで、日本でプレー経験のあるレオナルド監督が長友との契約交渉に立ち会うことになったが、片言の日本語と英語ではまったく意思疎通ができない。締め切り時間が迫る中、レオナルド氏はひらめいた。Jリーグ鹿島時代に通訳を務めていた鈴木国弘氏に国際電話を入れたのだ。

 

 2006年ドイツW杯で日本代表監督を務めたジーコ氏(59)の通訳も担当した鈴木氏。レオナルド氏がイタリア語で書かれた書類をポルトガル語に訳し鈴木氏に伝えるとそれを日本語にして長友に伝えた。ようやく契約書の確認が済んで、長友が書類にサインしたのは、移籍期限終了時間のわずか3分前のことだった。

 

 鈴木氏は「日本は真夜中だったし、レオナルドからの突然の電話にはビックリした。長友の契約交渉がうまく進んでよかったけど、オレが電話に出なかったらどうなったか…」。レオナルド氏が機転を利かせていなければ、インテル移籍は成立しなかったかもしれない。長友にとっては恩師であり、恩人と言えそうだ。