【武田修宏の直言!!】J2は19日にリーグ最終戦が行われ、J1昇格プレーオフに進むチームも決まったね。湘南、長崎に続く3番目のチームがどこになるのか興味深いけど、その一方で結果が出なかったチームの人事が活発になっている。勝負の世界だから目標に届かなかったら責任問題になるのは当然のことなんだけど、最近は目を疑いたくなるような話が多くなっている。

 監督の辞任、解任はもちろん、チームを統括するGMや強化部長レベルの解任があっても、それ以上の役職、はっきり言ってしまえば、クラブのトップの社長が辞める事態にまでは発展しない。最近はサッカー経験者ではなく、親会社から出向でやってきたような人がクラブ経営をしている。サッカーを知らないのに「結果が出ない=監督交代」という策しかとれない。その場しのぎの経営しかできないから、一貫したクラブのビジョンなんて生まれない。

 今季J2で1、2位の湘南と長崎は、苦しくても監督交代をしないで結果を出した。湘南のソウ貴裁監督(48)は6年、長崎の高木琢也監督(50)は5年。チームの経営が苦しくなっても、サッカーの中身だけは変えなかった。このあたりが、勝てるチームとそうでないチームの差。特にJ2ではその傾向がハッキリしていると思う。

 結果が出なかったクラブは社長も交代するべき、というのは暴論かもしれない。でも、クラブのトップも責任問題を真摯に受け止めるべきだし、もっと腰を据えたチームづくりをしてほしい。

☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から1986年に読売クラブ(現東京V)入り。ルーキーながら11得点を挙げ、リーグVに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。2000年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。2001年に東京Vに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。1987年に日本代表に選出。1993年米国W杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。

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