【ハリルジャパン ロシアW杯の秘密兵器は誰だ=G大阪DF初瀬亮(20)】U―20W杯で輝きを放ったDF初瀬亮(20=G大阪)が“七色のキック”を武器にシンデレラボーイへの道を駆け上がる。

 G大阪ジュニアユース時代の2012年、U―15年代の全国大会3冠を史上初めて達成した“黄金世代”の中でも最高傑作と呼ばれている逸材。積極的な攻め上がりと精度の高いクロスが武器の攻撃型サイドバックで、今季は日本代表クラスが居並ぶJ1G大阪でレギュラー争いに食い込み、17試合に出場している(第32節終了時点)。5月に開催されたU―20W杯にもU―20日本代表の主力として出場し、国際舞台でも通用するポテンシャルを見せた。

 日本代表のハリルホジッチ監督と日本サッカー協会の西野朗技術委員長(62)が揃って視察した3月の柏戦では、フィジカルの強さとスピードを発揮して大活躍。西野委員長は初瀬の名前を挙げて「良いという話は出た」と語ったように、若手の最注目株としてA代表入りも期待されている。

 初瀬の伝家の宝刀は、両足から繰り出される変幻自在のFK。本来は右利きだが「小さいころからすごく左を練習して今は両方蹴れる。自分の持ち味はキックの質。そこは自信を持っている」と胸を張る。その言葉を実証するかのように、10月22日の浦和戦ではFKから2点を演出。視察したハリルホジッチ監督を再びうならせた。

 東京五輪世代の主力ではあるが、来年のロシアW杯も視野に入れる。「目指すところはそこ。両方で蹴れるのは強み。攻撃でアピールできれば」と代表入りに虎視眈々。両サイドバックができるうえ、ハリルジャパンで人材不足のFKキッカーも適役となれば頼もしい限り。サプライズを呼ぶことはできるか。