名門復活の足掛かりとなるか。19日にJ2最終節が行われ、東京Vがホームで徳島に2―1と競り勝って5位に入り、初めてJ1昇格プレーオフ(PO)進出を決めた。また8位だった千葉が終了間際の劇的弾で横浜FCに2―1で勝ち、6位でPO切符をつかんだ。

 東京Vは同点の後半43分にMF内田達也(25)が決勝弾。26日のPO準決勝で4位福岡と対戦するが、10年ぶりのJ1復帰へ躍進を続ける裏にはイレブンの熱い思いがあった。

 小4から東京V一筋のDF安在和樹(23)は「J2に落ちると特に育成に影響がダイレクトに出る。自分たちはそれを見てきた。使命感がある」と話す。現チームのレギュラーの多くが下部組織育ち。指導を受けてきた恩人たちの苦労を知るからこそ、生え抜きたちが強い決意を抱いている。

「(FW中島)翔哉(23=ポルティモネンセ)は小5からだし、(MF小林)祐希(25=ヘーレンフェイン)くんも中学で一緒にやっている。身近な存在の活躍を見ると刺激になる」(安在)。かつての同僚たちが日の丸を背負って活躍する姿を見て“オレたちも”と奮起しているのだ。

 1993年のJリーグ発足時から名を連ねる「オリジナル10」の一つ。Jリーグ随一の名門が若武者たちの力で復権の時を迎えられるか。