【ベルギー・ブリュージュ14日(日本時間15日)発】またも強豪の壁にはね返された。国際親善試合が行われ、日本はベルギーに0―1で敗れた。10日のブラジル戦で崩壊した守備には改善の兆しが見えたものの、後半27分にエースFWロメル・ルカク(24=マンチェスター・ユナイテッド)に決勝点を奪われ、肝心なところで甘さを露呈。攻撃面は相変わらずの決定力不足で無得点に終わり、大きな課題を突き付けられた。

 過去の対戦成績は日本の2勝2分けとはいえ、W杯欧州予選9勝1分けで欧州一番乗りでロシア行きを決め、世界ランク5位のベルギーはやはり強かった。

 スコアレスで迎えた後半27分。MFナセル・シャドリ(28=ウェストブロミッジ)の中央でのドリブル突破を許すと、ペナルティーエリア内からクロスを上げられた。これをゴールのファーサイドで待ち構えたのはR・ルカク。高い打点のヘディング弾で先制点を許した。最終的にはDF吉田麻也(29=サウサンプトン)がシャドリに交わされてクロスを許した格好だが、その前にMF森岡亮太(26=ワースランドべベレン)やFW久保裕也(23=ヘント)の寄せが甘かったのも失点を招いた一因だった。

 バヒド・ハリルホジッチ監督(65)は失点シーンを「1人の選手に3~4人が簡単に抜かれてしまった。もったいない失点だったので残念」と落胆したが、前半だけで3失点を喫したブラジル戦とは違い、GK川島永嗣(34=メス)の好セーブやチーム全体の守備意識の向上で最少失点にとどめたゲーム内容は評価。「いいゲームをした。負けるに値しなかったゲームだったが、これもフットボールだ」とあくまで前向きだった。

 しかし気になるのは守備面の修正に関する指揮官のコメント。「1試合目(ブラジル戦)は存在していなかった。どういうことかというと、ブラジルを少しリスペクトし過ぎた面があった。前半の最初の20分がよくなかった」とブラジル戦の失敗を、単なる精神面の問題と片付けた。ベルギー戦前の公式会見でも「いつハイプレスをかけて、いつブロックをつくるのか。それは試合の状況が決める。私が決めることではない」と語っており、具体的な打開策に言及することはなかった。

 選手任せの守備が浮き彫りになったことに加え、相変わらずの決定力不足も露呈。前半40分にFKから吉田がドンピシャのタイミングでヘディングシュートを放ったが、バーの上。後半32分にはFW杉本健勇(24=C大阪)がフリーで放ったシュートが相手GKにはじかれるなど最後までゴールネットを揺らせなかった。DF長友佑都(31=インテル)は「(ベルギーに)決めるべきところで決められた。僕らはチャンスで決め切れなかったのは(強豪との)差かなと思った」と嘆いた。

 7か月後に迫ったロシアW杯に向けてブラジル、ベルギーとの対戦は貴重な強化の場だったが、世界レベルとの圧倒的な実力差を思い知るだけに終わった。残された時間の中でその差を少しでも縮めることができるか。