【ハリルジャパン ロシアW杯の秘密兵器は誰だ=浦和MF長沢和輝(25)】日本の“ポスト本田”はズバリこの男――。そんな期待が高まるのが、J1浦和で彗星のごとく現れたMF長沢和輝(25)だ。

 専大在学中に横浜Mの特別指定選手としてプレーしたが、卒業後はJリーグを経由せずにドイツで当時2部だったケルンに入団。1部昇格に貢献するなど武者修行を積み、高い技術とドリブルの突破力に目を付けた浦和に引き抜かれ、2015年12月に完全移籍で加入した。

 だが、すぐに千葉へ期限付き移籍で出され16年はJ2でプレー。今季から晴れて浦和の一員となったものの、ミハイロ・ペトロビッチ監督(60)体制ではベンチを温める日々が続いた。

 そんな中、成績不振でペトロビッチ監督が解任されると、長沢にチャンスが巡ってきた。10月18日のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第2戦の上海上港(中国)戦で先発メンバーに名を連ね、攻撃陣の要として活躍。さらに同22日のG大阪戦でリーグ戦初先発を果たすと、視察に来ていた日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(65)から「良い発見になった」と絶賛され、今回の欧州遠征招集につながった。

 長沢の武器について、同僚のMF武藤雄樹(28)はこう解説する。

「ボールを失わないことが一番の魅力。攻守において球際に強いし、ACLでFWフッキやMFオスカル(ともに元ブラジル代表)がいてもボールを取られない。そこは世界基準だと思うし、特別な能力を持っている」

 世界レベルの強敵相手にもボールをキープできる選手といえば、長年代表を支えてきたFW本田圭佑(31=パチューカ)。その“後継者”としての才能が長沢には備わっているというわけだ。

 長沢は初代表の舞台へ向け「自分の特長であるゴールに直結するプレーを出したい」と意気込む。ハリルジャパンの攻撃陣でニューヒーロー誕生の予感が漂う。