なぜこの時期?“天才少年”久保建英「プロ契約」の謎

2017年11月02日 16時30分

プロ契約を結んだ久保(右)と平川

 スペイン1部バルセロナ下部組織出身の“天才少年”FW久保建英(16)が1日、MF平川怜(17)とともにFC東京とプロ契約を締結した。今後はJ1デビューを見据えてトップチームに合流するが、今季残り3試合というタイミングでプロ契約に至った背景にはさまざまな事情が絡んでいた。さらに高校生プロとなった久保は破格の“副収入”を手にすることになりそうだ。

 久保は今季J3やルヴァンカップ、U―20W杯などの試合に出場して規定の出場時間をクリアしたため、プロA契約(初年度の年俸は460万~670万円)を締結した。

「早いタイミングでプロになれてうれしい。誰が見ても『すごいな』とひと目で分かる選手になりたい」と力強く宣言。今週中にもトップチームに合流する予定で、18日の鳥栖戦(ベアスタ)か26日の広島戦(Eスタ)でのJ1デビューが濃厚だ。

 プロ契約にあたっては久保が高校生のためトップチームの練習に参加する上で学業との両立がネックだったが、立石敬之GM(48)は「プロになることで整理させていただいて集中できる環境を与えた」と説明。今後は通信制に切り替えて練習時間を確保する方針だ。

 11月に入って今季J1戦も残り3試合というタイミングでわざわざプロ契約するに至った理由はいくつかある。一つは本人の強い希望だ。10月のU―17W杯で決勝トーナメント1回戦でイングランドに敗戦。久保は「強いチームの主軸はプロでやっている選手が何人もいる。自分も危機感を感じた」。世界との差を痛感し、高いレベルでのプレーを熱望した形だ。

 クラブ側にとっても同大会がキッカケとなった。立石GMは「世界大会でいろんな注目を浴びた。その中で世界のクラブからも注目され、プロとして契約することでそういう評価をちゃんとできる態勢にしたい」と説明。欧州各国のクラブから関心が寄せられ、FC東京としてもプロ契約することで一定の縛りをかける必要性に迫られた。

 こうしてクラブ史上初の高校生プロが誕生したが、その意義は大きい。「日本人選手の中でもすでに最も注目されている選手の一人」と大手代理店関係者が指摘するように“天才少年”に対する世間の関心は高く、プロとしてJ1に出れば集客はもちろんスポンサー集めにも大きな貢献が期待される。

 さらに、久保側もプロ契約をしたことで個人スポンサー契約やCM出演など副収入が見込める上、五輪代表など世代別のナショナルチームに選ばれた際には日当や勝利給など、さまざまな場面で報酬を手にできる。高い注目度から各種オファーが殺到すれば、数千万円単位の実入りも考えられるはずだ。

 そんな久保の視線の先にあるのが2020年東京五輪。「一生に1回のチャンス。出場できればこの上ないうれしさがある」と活躍を誓う。“東京のエース”を目指しプロ生活をスタートさせる。