森保五輪監督が握る久保建英の未来図

2017年10月31日 16時30分

“天才少年”久保は東京五輪のエースになれるか

 2020年東京五輪のサッカー男子日本代表監督に決まった森保一氏(49)が30日、都内で就任会見を行った。自国開催で重圧のかかる中、改めて男子52年ぶりとなるメダル獲得を目標に掲げたが、新指揮官の使命は表彰台に上がることだけではなかった。スペイン1部バルセロナの下部組織出身の“天才少年”FW久保建英(16=FC東京U―18)を世界トップ選手にするというミッションも課せられているのだ。

 J1広島監督時代(2012年~17年7月)に3度のリーグ制覇を成し遂げた実績や若手育成の手腕を買われた森保監督は会見で「自国開催で皆さんが望んでいるのはメダル獲得だと思う。全身全霊で向かっていきたい」と宣言。男子では1968年メキシコ五輪の銅メダル獲得以来となる快挙達成を目指す。

 そのベースとなるサッカースタイルについて「抽象的になるが、組織力をもって連動、連係して攻守に関わるサッカー。選手の個の成長を促すために個に目をつむってはいけないが、攻守に全員で戦うサッカーを目指したい」と説明。堅守速攻を柱とするA代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)と異なるアプローチで臨むという。

 今後の選手選考に関しても「プレーできる世代の選手であれば年齢や実績も関係なく、五輪に出場できる扉は開かれている。Jクラブ、大学、高校からも情報をもらい(優秀な人材が)埋もれることがないように選考したい」と幅広い分野から最強チームをつくり上げる考えだ。

 全ては大目標である五輪メダル獲得に向けての方針だが、新指揮官が担うミッションはほかにもある。「日本サッカー界の宝」と言われる久保を世界トップレベルの選手に育て上げることだ。

 あるJクラブ幹部は「(久保が所属の)FC東京もだけど、代表レベルでどうなっていくのか。しっかり育成してもらわないといけないし、そこは関わった人たちの仕事であり、責任でしょう」。日本サッカー協会の田嶋幸三会長(59)も久保の育成について「才能がある選手はどんどん伸びてほしいね」と新監督の手腕に期待した。

 久保は「世界最強クラブ」のバルセロナが認めた逸材。世界のトップ選手に育てることが日本サッカー界の使命とまで言われている。東京五輪のエースとして10番を背負う選手に育成することはもちろん、22年カタールW杯ではA代表の主力になるために徹底強化が求められているのだ。

 本来、選手育成は主に所属クラブが担うものだが、国際試合がメーンの代表での指導も欠かせない。これまでも協会では久保の将来を見据え、東京五輪の中心となるU―20日本代表に飛び級で選出し、5月のU―20W杯(韓国)に出場させた。さらに10月のU―17W杯(インド)に招集して国際経験を積ませている。

 今後、久保の代表活動は東京五輪を目指す森保ジャパンがメーンとなる。その初陣となる12月のタイ遠征やU―21世代で臨む来年1月のU―23アジア選手権(中国)でもメンバー入りする可能性は大きい。そこで森保監督が“天才少年”をどのように鍛錬していくのか。その成否によって日本サッカー界の未来が左右されそうだ。