PK不敗で初V鵬翔“最高の恩返し”

2013年01月20日 10時56分

優勝した鵬翔イレブン

 奇跡の頂点だ! 第91回全国高校サッカー選手権は19日、東京・国立競技場で決勝を行い、鵬翔(宮崎)が延長を終え2—2からのPK戦で京都橘(京都)を5—3で退け、初優勝を飾った。宮崎県勢として初優勝の快挙は苦難の連続で、6戦中4試合がPK勝利という珍記録のおまけ付き。そんな驚異的な勝負強さと宮崎県民全員の熱い思いが、ついに優勝旗をもたらした。

 PK戦最後のキッカーを務めたGK浅田はこう話した。「PK戦になった時点で勝つ自信があった」。鵬翔は2度リードを許す苦しい展開を強いられたが追いついた。10分ハーフの延長戦でも決着はつかずPK戦へともつれ込むと、1人目で明暗が分かれた。

 まずは鵬翔は同点PKの主将MF矢野がきっちり決める。京都橘もこの日勝ち越し点を挙げているエースFW仙頭を送り込んだが、ポストに嫌われてまさかの失敗。その後鵬翔は浅田まで5人全員が成功し死闘を制した。

 宮崎県勢初優勝の偉業を果たした松崎監督は「大きな扉を開いた。宮崎のサッカーはこれからもっともっと強くなる」と胸を張ったが、まさに大会史上に残る快進撃だった。大会前は全くのノーマークで常に苦戦続き。6試合中なんと4試合がPK勝ちという異例の記録を打ちたてた。「気持ちの強さと最後まで諦めない心です」と指揮官はイレブンをたたえた。

 苦難はピッチ上だけではない。予想外の躍進に遠征費などの資金面が準々決勝後に底をつく窮地に陥った。だが控え部員の熱心な募金活動や宮崎全体から寄付が集まり、さらには県や市がJクラブが使用する練習場まで無償貸与。同校OBのFW興梠(浦和)やMF増田(蔚山)らも支援を申し出た。

 その興梠が試合前にロッカールームを訪れ「あとは気持ちだ!」と猛ゲキ。これに鵬翔イレブンは様々な支援を思い返し「宮崎のために頑張ろう」と一致団結した。松崎監督が「神がかり的なところがある」と評した初V。神話の国と呼ばれる宮崎の神様たちの力も最後は加わり“鵬翔神話”が完結した。