【天皇杯】準々決勝で柏に0―1負け 川崎にチラつき始めた今季も無冠の悪夢

2017年10月26日 16時30分

 狂った歯車は戻るのか――。J1川崎は25日に行われた天皇杯準々決勝で柏に0―1で敗れ、4強入りを逃した。先発メンバーを大幅に入れ替え、大黒柱のMF中村憲剛(36)とエースFW小林悠(30)をベンチに温存させた策が裏目。残る2冠に向けて流れは悪くなるばかりで「シルバーコレクター」に今季も無冠の悪夢がチラつき始めた。

 無冠クラブによる「国内3冠制覇」という偉業の夢は消滅した。今年元日の決勝で負けた悔しさを晴らすべく臨んだ天皇杯はベスト8止まり。等々力劇場は静かに幕を閉じた。

 21日の広島戦から先発7人を入れ替えた布陣は機能しなかった。攻撃自慢のチームが、シュートわずか3本。後半開始からピッチに立った中村は「(入れ替えの影響は)少なくない。ここで来ないとか来るといった(ボールの)出し手と受け手のイメージ共有ができていなかった」と振り返り、天を仰いだ。

 ここ一番で“あしき伝統”ともいえる勝負弱さも露呈。シルバーコレクター(国内3冠の2位が7回)の原因となっている悪癖はメンタル面に起因すると言っても過言ではなく、鬼木達監督(43)も「何がなんでもやってやろうという気持ちが足りなかったかもしれない」と指摘した。

 リーグ戦では最近11戦無敗だったが、その勢いもストップ。川崎にとって「たかが1敗」ではない。歯車が狂うきっかけになりかねないだけに、残る2冠への影響も大きそうだ。

 首位・鹿島を勝ち点2差で追うリーグ戦での逆転Vは、残り4試合全勝が最低条件。そんな中で29日に再戦する柏に今回負けたダメージは大きい。指揮官は「別の大会。敗戦はしたが、落ち込む必要はない」と話したものの、負のスパイラルに陥る恐れもある。
 C大阪との決勝(11月4日)を控えるルヴァンカップにも暗雲が漂う。この日の敗戦で一発勝負の弱さを露呈。負けられないプレッシャーは増した。大一番で勝負弱さが再び顔をのぞかせてしまってもおかしくない。

 しかも主力のMF大島僚太(24)とMF阿部浩之(28)が、けがで今季中に復帰できるか微妙。これまでは代役が遜色ない働きを見せていたが、チームの勢いがストップした今だからこそ改めてその現実が重くのしかかる。さらに好セーブで何度もピンチを救ってきたGK鄭成龍(32)が21日の広島で右足を負傷。ルヴァンカップ決勝に間に合わない可能性も出てきた。

 アジアチャンピオンズリーグ準々決勝でも浦和に第1戦でリードを奪いながら、第2戦で歴史に残る大逆転負けを喫して涙をのんだ。満身創痍のチーム状況で今季こそ無冠クラブを返上できるのか。タイトル獲得への執念を試されそうだ。