前園真聖 ゾノの焦点!】ハリルジャパンは10日のキリンチャレンジカップでハイチに3―3で引き分けでした。今回はいろいろな選手を試すことがテーマ。先発を大幅に入れ替えて新しい選手をテストできたのは良かったと思います。しかし、ただ試すだけではなくて様々な“組み合わせ”をもっとトライしてほしかったです。

 例えば、左サイドではFW乾貴士(29=エイバル)がDF長友佑都(31=インテル)とのコンビで突破していましたが、乾とMF香川真司(28=ドルトムント)の連係をもう少し見たかったですし、香川、乾やFW原口元気(26=ヘルタ)など、多彩な組み合わせを試しても良かったのではないでしょうか。同じ選手が出るにしても、違った組み合わせならば、連係面で新たな発見があったかもしれません。選手の起用に、意図がなかったのは残念です。

 そういう意味では、3失点した守備陣に収穫がありました。ハイチ戦でDF吉田麻也(29=サウサンプトン)を先発から外したことです。吉田が累積警告やケガなどで出られなかった時に備えて試しておかないといけないですから。課題は出ましたが、新コンビをテストできたのは今後につながるでしょう。ただ新戦力で合格点と言える選手は正直いませんでした。

 香川についても触れなくてはなりません。キレイな得点ではありませんでしたが、結果を出せたのは彼の自信につながります。私の経験から言っても一つのゴールで、意識が変わったり良いプレーが続いたことがありました。それに結果を残せば相手にとって「怖い選手」で居続けられます。

 香川は代表の中心としてチームを引っ張っていく存在です。本大会に向けても結果を出し続けなけないといけません。