キリンチャレンジカップのニュージーランド戦(6日)でふがいない戦いを見せたハリルジャパンは7日、愛知・豊田市内で練習を行った。消化不良の試合を受けて、ベテランDF長友佑都(31=インテル)が悩ましい現状を吐露した。

 カウンターを主体にした日本が大苦戦したことに「難しさはある。自分たちがボールを持たされた時に何ができるのか」と改めて堅守速攻の弱点を語った上で、こう続ける。「南アフリカW杯のサッカーに近い。泥臭く守ってショートカウンター。監督の目指すサッカーが唯一、日本が(W杯で)結果を出す可能性が高まる」

 2010年南アフリカW杯で日本は16強に躍進したが、守備的な戦術はチーム内外で賛否両論が出ていた。14年ブラジルW杯に向けてはポゼッション型に切り替えたものの、本大会で惨敗。現代表は堅守速攻をメーン戦術とする。どの戦い方が有効なのか選手間でも意見は分かれているが、長友は岡田ジャパンへの“回帰”こそがW杯で躍進する戦略だとして受け入れたのだ。

 しかし、そこで問題になるのはポゼッションサッカーに秀でた選手たちだ。長友は「(香川)真司(28=ドルトムント)がいるとボールを落ち着かせるところの判断ができる」と必要性を強調した一方、バヒド・ハリルホジッチ監督(65)のメンバー選考については「前(攻撃)の選手のチョイスを見ると、スプリントができて縦に速いサッカーができる選手を好んでいる」と指摘した。

 指揮官がW杯に向けて戦術の完成度を高めようとすれば、香川やFW本田圭佑(31=パチューカ)といった実力者がロシアにいない確率は高まりそうだ。すでにW杯代表入りのサバイバル競争が始まっている中、次戦のハイチ戦(10日、日産スタジアム)で選手はどんなアピールを見せるか。