ハリルジャパンがロシアW杯に向けた再スタートとなる10月シリーズに、国内組の目玉としてMF山村和也(27=C大阪)とMF扇原貴宏(25=横浜M)の招集を検討していることが14日、分かった。過去にA代表経験のある2人だが、今季のJ1で再ブレークを果たして注目度が急上昇。さらに日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)が描く“補強ポイント”にも合致し、白羽の矢が立った。

 10月のキリンチャレンジカップ、ニュージーランド戦(6日、豊田)とハイチ戦(10日、日産)に向けてハリルホジッチ監督は新戦力の抜てきを明言している。対戦相手がともに格下で国内開催のため、一部の欧州組の招集を見送る可能性も浮上。今回の2戦は国内組の抜てきが焦点となるが、複数の関係者によると、有力候補に挙がっているのが山村と扇原だ。

 山村は2010年に岡田ジャパンで代表初選出されたが、その後伸び悩んだ。だがC大阪2年目の今季、トップ下にコンバートされると一気に才能が開花し、8得点の活躍でチームをけん引。8月に負った左膝内側側副靱帯損傷も回復し、9日のFC東京戦ではフル出場して4―1の快勝に貢献した。扇原も12年ロンドン五輪を戦った関塚ジャパンで4強の原動力となりながら一時伸び悩み、今季移籍した横浜Mで再び復活を遂げた苦労人だ。

 指揮官がこの2人に注目したのには理由がある。ハリルホジッチ監督は世界の舞台で戦う選手の理想像として、ポルトガル代表FWクリスチアーノ・ロナウド(32=レアル・マドリード)を挙げており「彼のようなフィジカルを私は求めたい」と語る。欧州主要リーグでは選手の大型化が顕著とあって、強豪国と渡り合うために大型選手の発掘を進めようとしているのだ。

 山村は186センチ、80キロとトップ下の選手としては日本でも稀有な体格で、183センチの扇原も線こそ細いが指揮官が重視する左利きの守備的MF。テストしたくなるのもうなずける逸材だ。

 2人は最終予選の予備登録リストに入っていなかったが、協会幹部は「(これまで)リストに上がっている選手以外でも今、急成長している選手とかも(招集は)ある」と代表復帰を示唆。

 日本人離れしたスケールを持つロンドン世代コンビが、ロシアに向けて新たな希望の星となるか。