J1で10位に低迷するFC東京は10日、篠田善之監督(46)の解任を発表した。今季はFW大久保嘉人(35)やMF高萩洋次郎(31)ら大型補強を敢行したが序盤から成績が上がらず、すでに天皇杯、ルヴァンカップは敗退。リーグ戦も9日のC大阪とのホーム戦で1―4と大敗するなど、試合内容は悪化の一途をたどっていた。

 大金直樹社長(50)はクラブの公式ホームページ上で「一事が万事、クラブ全体として危機感や現状打破の想いに弱さがあった。強いチーム、強いクラブの再建に努めてまいります」と声明を発表。今季の残り試合は安間貴義コーチ(48)が監督に就任して暫定的に指揮を執るが、クラブ側はすでに来季を見据えて後任監督の選定作業に入っている。

 クラブ関係者によると、7月に広島監督を辞任した森保一氏(49)が有力候補に挙がっているが、ネックになっているのが2020年東京五輪に向けて来年1月に立ち上げ予定のU―21日本代表監督の人選。日本協会は森保氏を日本代表の手倉森誠コーチ(49)とともにリストアップしており、森保氏もU―21代表の指揮に意欲的だという。

 そのため、FC東京側は慎重に状況を見極めている段階で、外国人指導者を含め複数の候補を挙げている。さまざまな思惑が絡み、再建を託す監督人事は波乱含みと言えそうだ。