結局、一番得をしたのは――。ドイツ1部ドルトムントからスペイン1部バルセロナに移籍したフランス代表MFウスマン・デンベレ(20)が27日(日本時間28日)、バルセロナに到着し「とても幸せ。小さいころからの夢がかなった」と語った。

 爆発的なスピードと卓越した技術で頭角を現したデンベレは昨季、ドルトムントで公式戦50試合に出場。10得点22アシストという驚異的な数字をマークした。今回の契約期間は5年で移籍金は1億500万ユーロ(約136億円)。これにボーナスなど付帯条件が加わり、総額で1億4700万ユーロ(約190億円)に及び、移籍解除金も4億ユーロ(約520億円)と破格の数字が並んだ。

 バルサはブラジル代表FWネイマール(25)を移籍金史上最高額の2億2200万ユーロ(約289億円)でパリ・サンジェルマン(フランス)に売却したが、その大半をデンベレ獲得に費やした。だが、すでにバルサの一部サポーターからは今夏の補強に懐疑的な声も噴出。欧州チャンピオンズリーグ(CL)どころか、国内タイトルの奪回も微妙な情勢だ。

 一方、笑いが止まらないのはドルトムントとレンヌ。昨季前にデンベレを獲得した際にかかった移籍金は1500万ユーロ(約19億5000万円)だったが、価値はわずか1年で7倍に高騰した。デンベレが次に他クラブに移籍する際に、移籍金の25%をレンヌ側に支払う契約があることで、レンヌも労せず約34億円を得る。この2クラブが“ネイマールマネー”の恩恵を受ける結果となった。