【W杯アジア最終予選】火種くすぶる本田とハリルが一時休戦

2017年08月29日 16時30分

ハリルホジッチ監督(左)と本田(右)の距離感は気になるところ

 FW本田圭佑(31=パチューカ)と日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)が“一時休戦”だ。ロシアW杯アジア最終予選オーストラリア戦(31日、埼玉)に臨む日本代表に、28日から本田ら多くの欧州組が合流した。指揮官が決戦での本田外しを示唆して両者の遺恨再燃も心配される中、本田は自己主張の封印を宣言。ひとまずチーム一丸でライバル打倒を目指すことになったが、まだまだ波乱含みだ。

 欧州組が続々と合流し、合宿2日目は23人が集結。大黒柱の本田も帰国して決戦ムードが高まってきた。そんな中、チーム内では“もう一つのバトル”に注目が集中。不可避といわれるハリルホジッチ監督と本田の衝突だ。

 本田は指揮官の目指すサッカーに就任当初から疑問を投げ掛けていたが、2人の間に決定的な亀裂が入ったのが最終予選前半戦のヤマ場となった昨年11月のサウジアラビア戦。ハリルホジッチ監督は重要な一戦を前に状態の上がらない本田をスタメンから外す決断をしたが、これに本田が猛反発。「自分が代表にふさわしい選手かどうかは自分で判断できる」と“逆ギレ”した上で「監督には説明する義務がある。監督に代える権利はあるけど、オレは自分で判断できる」と公然と監督を批判した。

 その後も2人の間に火種はくすぶったまま。今回のメンバー発表時にも本田が右ふくらはぎ痛から実戦復帰して即ゴールを挙げて復活をアピールしても、指揮官はオーストラリア戦でベンチ外の可能性も視野に入れ「たくさんの試合をプレーしているわけではない。直接チェックして、どのような役割を与えるか考えたい」と厳しい姿勢を崩さなかった。

 当然、本田にとっておもしろいはずはない。決戦を前に、指揮官に自らの起用法について直談判することは必至とみられていた。

 だが、この日の練習後に取材に応じた本田の口からは意外な言葉が出てきた。「もちろん僕は11人の招集でも入るつもり」と強気な姿勢を見せたものの、指揮官に自らの意見をぶつけることについては「ないでしょうね。ある意味面白いでしょうね、そんだけブッ飛んだヤツだと。でも僕はそうではない」と優等生発言。これまでのような衝突は起こさないとし、まさかの“休戦宣言”だ。

 本田がここまであっさり軟化した理由はもちろん一つ。「(国民からの)期待を感じる。選手全員が期待に応えられるように準備する」と語るように、W杯切符がかかる今回ばかりは己を捨てて“フォアザチーム”で勝利に徹することが必要だと判断したからだ。

 日本の命運を左右する決戦を前に、ついにハリルジャパンが一枚岩となるのか。だが本田は最後に「余計なことは言わないほうがいいかなと思っている。一応、今の時点では」と不気味な発言。オーストラリア戦の結果次第では、くすぶり続ける火種が一気に爆発するかもしれない。