【ACL】浦和に先勝!川崎陰のヒーローは家長

2017年08月24日 16時30分

完勝の立役者となった家長(右)

 日本勢同士の対決となったアジアチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝第1戦が23日に行われ、J1川崎がホームで浦和に3―1で先勝し、クラブ史上初の4強入りへ大きく前進した。エースFW小林悠(29)の2得点、大黒柱のベテランMF中村憲剛(36)の活躍もさることながら、この日も含めた公式戦4連勝の陰のヒーローはMF家長昭博(31)。かつて「本田のライバル」と呼ばれた男の復活で、川崎は劇的な変化を遂げた。

 川崎の完勝に終わった決戦第1ラウンドは“小林劇場”だった。前半32分に中村のパスから先制点を奪い、後半5分には自らのシュートのこぼれ球からDFエウシーニョ(27)が追加点。1点を返されて迎えた後半40分には貴重な3点目を決めて浦和を振り切った。

 頼れる主将の活躍で第2戦(9月13日、埼玉)に向けてアドバンテージを握った形だが、夏場に入って一人の男がチームに大きな力を与えた。FW大久保嘉人(35=FC東京)の抜けた穴を埋めるべく鳴り物入りで加入してきた家長だ。

 シーズン直前のケガで出遅れ。復帰後もなかなか連係強化も進まず苦労した。もともとが寡黙な性格。川崎はイベント盛りだくさんのチームとあって、関係者からは「アキはウチのカラーに合うのか」と心配されていた。だが、そんな不安も根っからの“関西気質”で吹き飛ばし、ピッチ内外でのコミュニケーションも構築。あっという間に川崎のチームに溶け込んだ。

 中村は「もともといい選手。フィットするのに時間がかかったけど、ボールも持てるし、キープもできる」と絶賛。MF阿部浩之(28)も「1人で運ぶ力があるし(マークを)はがす力もある。僕とか、悠君、憲剛さんにはないドリブルもある。最近は相手も、やりにくそうにしている。動き出しに合わせてくれるようになったし、アキ君の動き出しを使えるようになっている。いい関係ができてきている」と手応えを口にした。

 この日も得点こそなかったが、抜群の存在感を示した。中村が後半25分にベンチへ退いた後も持ち前のキープ力とスタミナでゲームをコントロールし、強引な突破から小林の貴重な3点目をアシスト。鬼木達監督(43)の「(中村の交代の)時間はちょっと早いかなと思った」という心配も杞憂に終わらせた。G大阪ジュニアユース時代、本田に「あいつは天才だから」と言わしめた技術とフィジカルの強さはダテではなかった。

 家長は「みんなで励まし合いながら戦えているので、これを続けていきたいと思う」と静かに闘志を燃やした。“最後のピース”を埋めた男が、無冠の川崎をアジア制覇に導く。