W杯切符が懸かる決戦を前に、代表指揮官が協会トップから尻を叩かれた。日本サッカー協会の田嶋幸三会長(59)が22日に都内で取材に応じ、前日21日にJFAハウスで日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)と話し合いの場を設けたことを明かした。

「昨日長く話をした。1時間くらい。いろんな選手の状況も聞いた」という田嶋会長。ロシアW杯アジア最終予選オーストラリア戦(31日、埼玉)に向け、故障者が続出する日本代表のチーム状況など、内容は突っ込んだものになったという。

 オーストラリア戦の結果次第では窮地に追い込まれるため、最終戦のサウジアラビア戦(9月5日、ジッダ)前に進退問題に発展する可能性も消えていない。田嶋会長は「全面的に信頼している。とにかく監督を信じている」とハリル体制の維持が基本方針と強調しつつも「いろんな可能性を考えなきゃいけないのは事実だけど」とあえて監督交代の選択肢を否定せず、協会トップとして断固たる姿勢を示した。

 大一番を前に猛ゲキを飛ばした背景には、最近目立つ指揮官の弱気ぶりも無関係ではない。

 故障者続出の状況に「私が来日してから最も難しい状況だ」などと嘆いてばかり。とはいえ、日本には質の高い選手が数多くおり、オーストラリアと比べても戦力の厚みは一枚上。どっしりと構えていれば恐れる必要はないだけに、トップ自ら指揮官に活を入れたというわけだ。

 当のハリルホジッチ監督はこの日、都内のJFAハウスで開催中の「夏休み自由研究イベント」にサプライズで登場。「我々のチームを応援してください」とどこか吹っ切れた様子で力強く呼びかけた。メンバー発表は24日。ハリルジャパンが臨戦態勢に入ってきた。