【ACL】川崎 浦和戦への合言葉は「ノーモア舌禍」

2017年08月22日 16時30分

家長(手前)が川崎に新たな力を与えた

 J1川崎と浦和の日本勢対決となったアジアチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝第1戦は、23日に等々力陸上競技場で行われる。初の4強入りに向けて調整を進める川崎の合言葉は「ノーモア舌禍」。その背景には、昨季の対戦前に“あの男”が放ったひと言がある。浦和に逆襲を許した苦い過去を繰り返さないように、ピッチ外の言動に細心の注意を払っている。

 Jクラブ対決となったACL準々決勝は、両クラブにとって負けられない戦い。2007年以来2度目の優勝を狙う浦和は通過点にしなければならず、国内無冠でありながらアジア制覇の偉業に挑む川崎にとっては、まずは初のベスト4入りで今後に弾みをつけたいところだ。

 そんな中、川崎がポイントと考えているのは、リーグ戦で波に乗れない“赤い悪魔”を覚醒させないこと。相手を刺激する言動を慎むように呼びかけ合っているというのだ。

 これには、昨年4月24日の対戦時の一件が大きく影響している。当時川崎に在籍していたFW大久保嘉人(35=FC東京)が試合が行われる週の練習後に「浦和は別にうまくないし、勢いだけ。絶対に負けない」と発言。これが浦和イレブンを必要以上に発奮させる結果となり、0―1で敗れた。ある選手は「嘉人さんのことは覚えている。ああいうことは避けなければならない」と苦い顔で語っている。

 今季、川崎は浦和と7月5日にリーグ戦で対戦し、4―1と完勝。力の差を見せつけただけでなく、浦和のミハイロ・ペトロビッチ前監督(59)を解任に追い込むキッカケとなった。今季の川崎に大久保のような発言をする選手はいないとはいえ“上から目線”の気持ちが芽生えてもおかしくはない状況。だからこそ舌禍撲滅を徹底し、敗因となり得る要素は徹底的に排除していく考えだ。

 サッカー界に限っても「口は災いのもと」となったケースは少なくない。2004年のナビスコカップ(現ルヴァンカップ)決勝では、当時浦和のDF田中マルクス闘莉王(36=京都)が対戦前に、相手のFC東京を「つまらないサッカーしかできない」と挑発。

 試合はPK戦の末に敗れた。古くは1992年元日の天皇杯決勝前、読売クラブ(現東京V)の藤吉信次が、対戦したベテラン揃いの日産自動車(現横浜M)を「オッサン自動車」と皮肉り、日産イレブンの怒りを買った読売クラブはタイトルを逃した。

 現段階ではDF谷口彰悟(26)が「この前の試合に勝ったけど、自分たちのプレー全てがうまくいったわけではない。地に足をつけてやっていきたい」と謙虚に語ったように、チーム内で約束事は徹底されている。第1戦が終わっても、第2戦(9月13日、埼玉)まで間が空くだけに気は抜けない。川崎は最後まで今の姿勢を貫き、アジアの頂点まで突っ走りたいところだ。