さすがの金満クラブもさらなる大型補強は打ち止めか。ブラジル代表FWネイマール(25)の獲得で今夏の移籍市場の主役となっているフランス1部パリ・サンジェルマン(PSG)が、もう一人の“目玉”といわれたFWキリアン・エムバペ(18=モナコ)の獲得を凍結する可能性が浮上している。
ネイマールの獲得に2億2200万ユーロ(約291億円)もつぎ込んだPSGは、エムバペにも触手。昨季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝ドルトムント(ドイツ)戦で2得点し、1試合複数得点の史上最年少記録を樹立した超新星だけに、獲得にかかる費用も膨大なものとなっている。
すでにモナコとは1億8000万ユーロ(約234億円)で合意に至ったといわれているが、実際に必要な金額は4億ユーロ(約520億円)にも上ることが判明。カタールのオイルマネーを資金源とするPSGにとっては出せない額ではないものの、ここへきて別の問題が出ている。
それが、欧州サッカー連盟(UEFA)が赤字経営を禁止するために定めているファイナンシャル・フェアプレー制度。ネイマールの移籍の際にもスペインプロサッカーリーグ機構がこの制度への抵触を指摘していたが、今回のエムバペ獲得をめぐってはさすがのPSG側も規約抵触を恐れて自重する動きも見え始めた。
規約違反と認定されれば、早ければ来年1月の移籍市場から新規選手の獲得禁止処分が下される。さらにはライセンス剥奪の恐れもあり、最悪、欧州CLにも出場できなくなる。空前絶後の補強を繰り広げるPSGとしては本末転倒にもなりかねないだけに、次なる大物獲得に二の足を踏むのも無理はなさそうだ。