【スルガ銀行杯】辛勝の浦和「代表ゼロ」危機

2017年08月16日 16時30分

タイトル獲得で阿部(中央)ら浦和イレブンは喜んだが…

 スルガ銀行チャンピオンシップが15日に埼玉スタジアムで行われ、昨季のJリーグルヴァンカップを制した浦和が南米カップ王者のシャペコエンセ(ブラジル)を1―0で破り、初優勝した。試合終了間際に主将のMF阿部勇樹(35)がPKを決めて今季初タイトルを獲得。低迷脱却に向けてのろしを上げたが、今季の不振で“日本代表ゼロ危機”に直面していることも表面化した。

 後半アディショナルタイムに際どい判定でPKを獲得して決勝点を奪った浦和だが、試合自体は決して褒められる内容ではなかった。

 シャペコエンセはブラジルからの長距離移動や、7日にスペイン1部バルセロナとも同地で親善試合を行った強行日程の影響で、万全には程遠いコンディション。そんな相手にホームの浦和は序盤こそ押し気味に試合を進めたものの、決定機はほぼ皆無だった。シュート数も相手の11本に対してわずか4本。浦和の堀孝史監督(49)は「フィニッシュの一歩前までは行くが、そこから先の動き出しや積極性が足りなかった。ボールを奪われてカウンターに遭い、あわやの場面もあった」と反省の言葉を並べた。

 試合を視察した日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)も「今日は発見が全く何もなかった」と険しい表情で吐き捨てた。以前は「ほとんどの選手が(代表)候補だ」と浦和の選手を高く評価し、6月のイラク戦でもDF槙野智章(30)、DF遠藤航(24)、MF宇賀神友弥(29)を招集。他にもGK西川周作(31)やMF柏木陽介(29)など重用してきた選手は多く、ハリルジャパンにおいて一大勢力だった。

 しかし今季の浦和勢は一向にパフォーマンスが上がらず、特に代表常連組の多い守備陣はJ1でワースト3位の38失点という体たらく。これでは指揮官が「日本サッカー界の将来が懸かっている」と力を込めるロシアW杯アジア最終予選のオーストラリア戦(31日、埼玉)は到底任せられない。

 国内組においては、首位を走る鹿島や6月に最大勢力だったG大阪、今季躍進を見せるC大阪や柏などからも新戦力の抜てきが検討されている状況。勝利だけを見据え“実効性”の高い選手を求めているのが実情だけに、指揮官がムードメーカーとして高く評価する槙野も決して安泰ではない。

 代表チームの指揮官から突き放された格好の浦和。本拠地で行われる天王山のピッチから浦和の選手が消滅するとなれば、あまりにも寂しすぎる話だ。