“ネイマール・ショック”はやはりアジアにも飛び火した。バルセロナは14日にブラジル代表MFパウリーニョ(29)を中国1部広州恒大から4000万ユーロ(約51億円)で獲得。クラブ史上4番目の高額での移籍となった。最近は欧州の大物選手が中国の“爆買い”で引き抜かれるケースが多かったが、ネイマールのパリ・サンジェルマン移籍で手にした約291億円の資金を生かし、流れを変えた格好となった。

 中国に移籍した大物の中には金額に見合った働きができていない選手がいるが、パウリーニョは“優良外国人”として広州恒大から重宝されていた。特にアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の舞台では抜群のボール奪取力と機を見た攻め上がりで活躍し、今季1次リーグでは3得点。対戦したJ1川崎の選手も「あのレベルの選手にあれだけのプレーをされると厳しい」と脅威を感じていた。

 それだけに今回の移籍は広州恒大にとっては大きな戦力ダウン。同国対決となる上海上港とのACL準々決勝(第1戦=22日、第2戦=9月12日)に向けては悲観的なムードも漂っている。念願のバルサ移籍がかなったパウリーニョにはネイマールも「成功を祈る。僕が幸せだったように、君も幸せになれると願っている」と自身のインスタグラムに祝福コメントを出したが、アジアのサッカー勢力図を変えかねない移籍になったのも確かだ。