鳴り物入りで入団した大物助っ人のイライラがピークに達している。J1神戸の元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ(32)が、13日のFC東京戦(味スタ)でJデビュー後4試合連続となる先発出場。前半3分に直接FKでゴールを狙うも壁に当ててしまい、後半36分のチャンスには大きくふかすシュートミス。この日は見せ場なく、3試合連続で無得点となった。

 チームも泥沼の3連敗で自身が“戦犯”になりつつあるからか、試合後は不機嫌モード全開。取材エリアにいったん姿を見せたものの、すぐさま動線を外れて部屋を仕切るついたてをわざわざどかして“逃走”した。2試合連続の取材拒否だ。

 ポドルスキがストレスをためている理由は結果以上に現在のチームに光が見えないからだ。移籍後初戦の7月29日の大宮戦こそ2ゴールの衝撃デビューを飾ったが、その後は不発。原因は中盤に攻守の起点となれる選手がいないことだ。FWハーフナー・マイク(30)は「彼が高い位置でボールを入れていかないと。もうちょっとゴールに近い位置で仕事をしてもらえるように。(自分とも)もっと近くでプレーしたほうがお互いが生きる」と指摘する。神戸は前線にポドルスキに加え、ハーフナー、FW渡辺千真(31)と代表級のストライカーを擁する一方で、中盤が明らかな駒不足。そのためこの日はポドルスキが中盤の底までプレー位置を下げて組み立てをするはめになるなど、自慢の決定力を生かせない展開になっているのだ。

 世界的ストライカーが偏ったチーム編成のしわ寄せを受けた形。このままではいつ怒りが爆発してもおかしくない。