3日まで米国で行われた女子サッカーの国際親善大会、4か国対抗でなでしこジャパンは1分け2敗に終わった。1勝も挙げられず、高倉麻子監督(49)も「勝てなかったという事実がなでしこの現在地」と力不足を認めたが、周囲からは“ベテラン回帰”を勧める声が上がっている。

 なでしこジャパンOGの一人は「パワーやスピードが足りないのはわかっていたが、それよりも気になったのは、駆け引きができていないこと。流れをつかみかけてもそれを維持できないのは、そういうことができる存在が近くにいないから」と今のチームの弱点を指摘。それを解消する策として「我慢して若手を使うのもいいが、ベテランをもう少し呼んでみてはどうか。今こそナホが必要」とFW川澄奈穂美(31=レイン)の招集を訴えた。

 今回のチームにはDF鮫島彩(30=INAC神戸)、MF阪口夢穂(29=日テレ)と2011年ドイツW杯優勝経験者が2人いたが、攻撃的ポジションの選手は不在。「若い選手に攻撃時の駆け引きの必要性を教えるのは、ナホが適任」と強調した。

 川澄は現在、米女子リーグ(NWSL)でプレーしており、チームでは主力を担う。技術はチームでもトップレベルで、運動量も抜群。攻撃時の仕掛けどころやラストパスの正確さは、レインで同僚の米国女子代表MFミーガン・ラピノー(32)も一目置いている。

 19年フランス女子W杯、20年東京五輪に向けて若返りを図るなでしこ。ベテランの復帰でチームに刺激を与えるのも一つの策かもしれない。